「本当に怖いのはコロナじゃなくて、人だった」 2年前に感染の長野県内の男性、訴え
うわさ・仕事復帰しても無視… 今でも不安、家中を消毒
アルコールが染みたウエットティッシュを片手に自宅の床、ドアノブ、ソファを手際良く拭いていく。長野県の東北信地方に暮らす40代男性は、ちょうど2年前に一家で新型コロナウイルスに感染して以来、この作業が日課となった。めったに人は訪ねてこないが、やらないと不安になる。
県内は感染「第3波」の初期だった。今月8日時点で累計25万人を超えた感染者数は当時、累計300人台。ごくまれに出る集団感染を除けば1日当たり一桁だった。
入院先のベッドで横になりテレビをつけると、ニュース番組が感染者同士の関係性などを事細かに報じていた。「自分たち家族のことだ…」。小学生の息子は表情を変えずに画面を見つめていた。
子だくさんなこともあり、年代や性別、居住地などの情報から地元ですぐに特定され、うわさになった。
10日間の入院が終わって農産物を扱う作業所での仕事に復帰すると、同僚から「離れて」と言われた。復帰翌日は気が重く欠勤。1週間ほど無視され、屋外で孤独に昼食を食べることもあった。
近所の人からは、白い目で見られている気がした。妻との関係が悪かったことも影響し、1年後ぐらいから精神科に通院。仕事を辞め、行政支援を受けるようになった。
小学生の娘はたびたび、マスクを着け忘れて買い物に出かけてしまう。洋服の首元を引っ張って口元を隠すが、そのたびに温厚な息子が「なんでマスクしないの」と叱りつける。息子は多くを語らないが、男性は「学校でつらい思いをしたんじゃないか」と想像する。
世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は今年9月、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)の終わりが視野に入ったとの認識を示した。政府は感染者の全数把握を全国一律で簡略化。県などは新規感染者数の発表を保健所管内別に変更した。
2年前は社会全体が過敏だった。だが感染者の情報が出ない今、怒りも入り交じった複雑な感情が湧く。「平等じゃない。今の感染者たちは自分たちのつらさが分からないだろう」
男性は今も同僚の冷たい表情を思い出す。「本当に怖いのはコロナじゃなくて、人だった」。感染しなければ人間不信に陥らず、家庭環境も今ほど悪化しなかったと思う。
新たな感染症が流行すれば、自身と同じ思いをする人が出てくるのではないか―。「注意喚起も必要だけれど、感染者の人生をどう守るのかも考えてほしい」(竹端集)
流行初期、罪悪感で離職も 信州大病院感染制御室副室長の金井信一郎助教の話
新型コロナウイルスの流行初期には、感染した罪悪感などから仕事を辞めざるを得なくなったケースもあったと聞いている。差別などによるメンタルヘルスの問題は精神科などの医療機関の受診を検討してほしい。気持ちを人に聞いてもらうだけでも違う。「眠れない」「不安で落ち着かない」といった悩みを受け付ける県精神保健福祉センターの電話相談なども活用してほしい。
https://news.yahoo.co.jp/articles/13d747415730b98dd1ee72e7fb4449d03158e281
引用元:https://hayabusa9.5ch.net/test/read.cgi/news/1668021720/
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Source: ニュー速