鉄道総研/高性能金属系超電導線材/電力貯蔵応用へ研究開始
2022/6/28 05:00 鉄鋼新聞
鉄道総合技術研究所(東京都国分寺市、理事長・渡辺郁夫氏)は高性能な金属系超電導線材の、電力貯蔵装置への応用に向けて研究を始めた。
実現可能性も含めて検証を進める方針。電気抵抗が消失する超電導転移温度が金属系として高い高性能な二ホウ化マグネシウム製の線材を、
コイル型の超電導電力貯蔵装置(SMES)に用いることを検討する研究を開始。高価な液体ヘリウムを冷却に使わず超電導状態にできることから、
運用コスト低減への貢献を期待する。
超電導は特定の物質を冷却すると電気抵抗がなくなる現象で、金属系の超電導線材は非鉄金属関連メーカーなども手掛けている。
SMESは超電導線材製コイルに電気を閉じ込め貯蔵する次世代技術。電気抵抗ゼロの超電導コイル内に電力を減衰を抑えて蓄えられる。
急速充放電が可能なほか、長期間使用できることが利点。鉄道分野では車両減速時のエネルギーを電気に変え発電する回生ブレーキから
得た電力を貯める活用法が期待されている。
鉄道総研では安定性の高いニオブチタン製の金属系超電導線材でSMESの研究を進めているが、材料技術が進歩してきたことや流通する素材に
なってきたことから、二ホウ化マグネシウムについても、SMESへの応用研究を始めている。二ホウ化マグネシウムは39ケルビン(摂氏約マイナス234度)
とニオブチタンよりも高い温度で超電導状態に転移する物質。冷却に高価・希少な液体ヘリウムではなく、汎用冷凍機を適用できるため、
運用コストを下げられるとみられる。
鉄道総研では従前から二ホウ化マグネシウムについて原料粉末の配合・線材化などで多くのノウハウを有しており、現在はSMESへの応用を視野に
コイルを試作し「磁場環境下での通電特性などについてテストしている」(富田優超電導応用研究室長)という。併せて材料研究も引き続き行う考え。
引用元:https://hayabusa9.5ch.net/test/read.cgi/news/1656411098/
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Source: ニュー速